住宅をローンで購入しよう!と考えた時に直面するのは、変動金利と固定金利どっちを選ぶか?だと思います。多くの金融機関で優遇金利が採用される住宅ローンですが、不動産会社や銀行の担当者に言われ何となく変動金利や固定金利を選択した場合、後になって返済の負担が重くファイナンシャルプランニング(ライフプランに基づく資金計画)に影響を及ぼす可能性があるので、両者の金利をよく理解してから契約するようにしましょう。
住宅ローン利用者の金利タイプの割合
ではまず、実際に現在住宅ローンを利用している方の金利タイプを2021年から年を追って見てみましょう。
(住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査引用)
住宅金融支援機構が行っている「民間住宅ローン利用者の実態調査(2024年4月調査)」によりますと、上記の通り2024年4月調査では変動型が76.9%で年を追うごとに徐々にその数が増えて行っていることがわかり、固定期間選択型と全期間固定型を大きく上回る選択率という結果になっています。
ではなぜ変動金利はこれ程までに人気なのでしょうか?メリットとデメリットと共に見てみましょう。
変動金利のメリット
〇契約当初の金利が低い
変動金利の最大のメリットは固定金利よりも契約当初の金利が低く設定されている事でしょう。長年続いた「長短金利操作付き量的・質的金融緩和及びマイナス金利」が解除された今でも、各銀行が利用者の多い変動金利の金利には特に重点を置き、金利が低水準で推移する状態が続いています。もし今後もこのままの水準が続くようであれば固定金利よりも返済額が少なくなる可能性が高くなります。
〇支払いが減る可能性がある
変動金利の住宅ローン基準金利は、日銀の政策金利の影響を受けます。正確に言えば日銀の政策金利の影響を受けた短期プライムレート(銀行が融資に問題がないと判断した信用の高い企業に適用される金利)を参照して決められます。なので、借りた時点よりも政策金利が引き下げられれば支払額が減る可能性があるのも大きなメリットでしょう。
変動金利のデメリット
〇金利上昇による支払額の増加
メリットでも触れましたが、政策金利はローンを借りている側の支払額が減る金利低下に向かうばかりではありません。金利上昇による支払額の増加もしっかりと考慮に入れておかなければなりません。今後日本ではどのような金融政策が行われる可能性があり、その際どの程度金利が上がってしまうのか等を勘案し、仮に金利が上昇しても返済計画に支障が出ないように余裕を持った返済計画を立てていく必要があります。
〇5年・125%ルールによるデメリット
変動金利には5年・125%ルールというものがあり、金利が増加した際に5年間返済額が変わらない事や、支払額が一気に増加しないように6年目からは増加に125%の上昇限度を設けいています(適用のない金融機関もあり)。但し、これは毎月の支払額の増加に限度があるというだけで、住宅ローンを返済期間中に完済する義務は免れません。このルールは「一気に増加しない」というだけで、上昇した金利の為に生じた未返済分は、住宅ローン終盤に返済を求められ「返済額を減らす」という特別ルールではないという事になります。
未返済分とは?
5年・125%ルールというのは「返済額を減らす」ものではないと記載しましたが。ちょっとよくわからないという方もいらっしゃると思いますので以下追記です。
金利が上昇すると、その分を適用した金利で住宅ローンは上昇することは先述した通りですが、5年間は返済額が変わらず6年目以降125%を超える金利の上昇があったのに返済額は125%であった場合、それ以上に上昇した分の金利の支払いはどうなるのでしょう?
そうです、金利が上昇する事により毎月の返済額の利息(金利)の部分の支払いが大きくなり、それにより元金の返済が当初の予定より進まず、未払い部分が発生することになります。それが未返済分となり終盤に返済を求められるという事になります。
固定金利のメリット
〇返済計画を立てやすい
固定金利の最大のメリットは、期間中は政策金利の影響を受けず金利が変わらない事になると思います。期間中は返済額が常に一定である為、その他様々なファイナンシャルプランを決めやすくなり無理のない計画を立てる事が可能となります。
〇金利上昇対策
金利が上昇した場合も当初の金利から変更はないので、変動金利のデメリットにもあった未返済や不安感を取り除くことが出来ます。
固定金利のデメリット
〇契約当初の金利が高い
固定金利の金利を決めるのは変動金利の短期プライムレートとは違い、長期プライムレート(金融機関が優良企業向けの長期貸出に適用する最優遇金利)を基に適用されます。長期プライムレートは政策金利や国債の発行などに連動しており、こちらも政策金利の影響を受けます。長期プライムレートは国債利回りと連動していることもあり、短期プライムレートよりも金利は高く金利の変動が大きい性質があり。変動金利より契約当初の金利が高くなっています。
〇金利の見直しがない
変動金利ではメリットであった、金利の低下の恩恵を受けることが期間中は出来ません。契約当初の金利が高めに設定されているのに低下の恩恵を受けれないのは大きなデメリットになります。また、その場合他の金融機関に借り換えをする事も可能ですが、諸費用を全て勘案してメリットがある場合は借り換えを検討してもいいかもしれません。
金利の動きは予測できない
その他事務的な面などで双方のメリットやデメリットがいくつかあるかもしれませんが、大きくは上記に記載したものです。将来の金利の動きを完璧に予想するなんて事は誰もできません。先日日銀が金利の修正を行い政策金利が上昇し短期プライムレートが上昇しました。日銀が更に金利を上げる可能性を示唆しているので上昇するとの予想も多いですが、可能性は低いかもしれませんが今後米国との兼ね合いや大統領選を加味し利下げするという事もあるかもしれません。
まとめ
変動金利と固定金利どっちがいいのか?個々の状況があるのでこの記事ではその答えには辿り着きませんが、上記メリットデメリットをしっかりと理解し、勧められたままに契約をするのではなくファイナンシャルプランをしっかりと立て、無理のない返済計画を立てていく事が重要です。
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